アルニコ磁石
アルニコ磁石は、アルミニウム、ニッケル、コバルトを主成分として鋳造によって作られており、磁石の中で最も温度特性に優れています。磁石単体では減磁しやすいという欠点がありますが、機械的強度に優れています。
アルニコ磁石の歴史
アルニコ磁石(Al-Ni-Co)は、鉄に加えアルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)などを原料として鋳造された磁石(鋳造磁石)である。1930年代後半にNKS鋼に銅などを添加物として加えアルニコ磁石が開発されました。
20世紀半ばまで主流の磁石であったが、主原料であるコバルト、ニッケルの供給問題と価格が不安定なためフェライト磁石などが主流になり使用する機会が少なくなりました。
アルニコ磁石の特徴、特性
アルニコ磁石はネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石などの希土類磁石(レアアース磁石)と同じくらいに強い磁力を持っております。温度による磁性変化が少なく、高温での使用が可能となっております。また、割れにくいといった特性から、各種メーター・計器類などに利用されています。
保磁力がそれほど大きくないため、外部磁場や機械的な衝撃などで減磁する場合もあります。反磁界の大きい薄板形状では自己減磁のために使用することが出来ないという欠点があります。
アルニコ磁石の使用用途
スピーカー・マイクロホンなどの音響関係・電流計・電圧計・スピードメーターなどの計器類関係、その他電動発電機関係。
保持力が低く自己減磁するため磁気回路を組んで使用することが多くなります。
代表磁気特性
| 特性項目 | 特性値 | |
|---|---|---|
| 残留磁束密度 Br | [T] | 1.20 |
| [kG] |
12.0 |
|
| 保磁力 HcB | [kA/m] | 48.0 |
| [kOe] | 0.6 | |
| 最大エネルギー積 (BH)max |
[KJ/m3] | 36.9 |
| [MGOe] | 4.6 | |
物理特性
| 特性項目 | 特性値 |
|---|---|
| 温度係数 -%/℃ | 0.02 |
| 密度g/cm3 | 7.3 |
| キュリー温度℃ | 850 |
| ビッカーズ硬さHV | 650 |
| 使用限界温度℃ | 400 |
製品情報
丸型アルニコ磁石


単位mm
| 商品コード | 寸法 |
|---|---|
| Φ×ℓ | |
| ALN38 | Φ3×8 |
| ALN39 | Φ3×9 |
| ALN312 | Φ3×12 |
| ALN320 | Φ3×20 |
|
ALN510 |
Φ5×10 |
| ALN515 | Φ5×15 |
| ALN520 | Φ5×20 |
| ALN612 | Φ6×12 |
| ALN615 | Φ6×15 |
| ALN620 | Φ6×20 |
| ALN625 | Φ6×25 |
| ALN810 | Φ8×10 |
| ALN816 | Φ8×16 |
| ALN1010 | Φ10×10 |
| ALN1015 | Φ10×15 |
| ALN1030 | Φ10×30 |
| ALN1050 | Φ10×50 |
| ALN1515 | Φ15×15 |
| ALN1550 | Φ15×50 |
|
ALN15140 |
Φ15×140 |
※別注品もお取扱いいたしております。
